企業変革実現に向け
DXを支援する伴走型サービス

DXの右腕

DXで話題にあがる「生産性」について(後編)

目次

本記事では、中小企業の経営者が知っておくべき「生産性」について、DX専門の中小企業診断士がわかりやすく解説いたします。本ブログタイトルである「DXで話題にあがる「生産性」について」の後編となります。前編をお読みでない方は、以下の「DXで話題にあがる「生産性」について(前編)」をまずお読みください。

目次は以下の通りです。

  1. 生産性の計算式
  2. 生産性を高めるには?
  3. 生産性を高める打ち手(DX観点)
  4. まとめ

1.生産性の計算式

「DXで話題にあがる「生産性」について(前編)」では、生産性とは「投入した資源に対して、どれだけ多くの成果を出せるか」とお伝えしました。では、生産性は具体的にどのように計算すればよいのでしょうか?

生産性は「獲得した成果」とその成果物を得るために「投入した資源量」の比率、もっとわかりやすく言えば「アウトプット÷インプット」計算することができます。

例えば、10人の社員で5,000万円の利益を上げているA社の社員1人当り利益は500万円です。ここでは、「インプット=10人の社員」「アウトプット=利益5,000万円」なので、「生産性=利益5,000万円÷10人の社員=社員1人当り利益500万円」ということになります。

ここで、5人の社員で同額の利益を上げているB社があったしましょう。A社とB社の生産性を比較してみると、A社の生産性(=社員一人当たり利益)は500万円であるのに対し、B社の生産性は「生産性=利益5,000万円÷5人の社員=社員1人当り利益は1,000万円」となるため、A社の生産性はB社の2倍ということになります。

 

2.生産性を高めるには

では、生産性を高めるにはどうすればよいのでしょうか?生産性を高めるには2つの方法があります。1つは計算式の分母である「インプットを少なくする」こと、もう1つは計算式の分子である「アウトプットを大きくする」ことです。

「競争に勝ち抜くためには、競合他社より1時間でも1分でも長く働くんだ!」という文化をもった企業を見ることがあります。もちろん、法令を遵守しながら、このような考え方に基づいてきちんとした成果が出ていれば、そこには何ら問題はありません。しかし、長時間働いたにも関わらず、成果が何ら変わらなかった場合はどうでしょう?

生産性の式を見ればわかりますが、インプットだけを増やすと生産性は低下します。つまり、インプットを増やして生産性を高めるためには、「インプットを大きくした分、それ以上にアウトプットが大きくなる」ことが必要となります。上述の企業の場合、長時間労働の目的が他社との競争に勝つためである以上、生産性が変わらない・低下したのであれば、それは目的達成の手段としては機能しなかったと言わざるを得ないでしょう。特に残業を増やして成果を高める方法を採用した場合、残業代の時給は通常勤務の時給よりも高くなりますし、長時間労働による疲労による社員の作業速度の低下やミスの発生といった別の変数が現れるため、生産性低下リスクはその分高まるという側面にも考慮が必要です。

 

3.生産性を高める打ち手(DX観点)

生産性を高める打ち手には様々なものがありますが、本記事ではDX観点に絞って主な打ち手を挙げていきます。

①インプットを少なくする方法
  • クラウドコンピューティングの活用: サーバやインフラの保守・管理を外部の企業に委託することで、ハードウェア導入やメンテナンスにかかる労力を削減することができます。
  • 紙文書のデジタル化::クラウドストレージや文書管理システムを活用し、紙文書をデジタル化することで、紙の保管スペース削減や場所を選ばない情報活用、情報の検索性向上を図ることができます。
  • オンライン会議の活用: ミーティングやチームコミュニケーションをオンライン上で行うことで、出張や移動のコストを削減することができます。
  • 業務プロセスの自動化: 業務プロセスの自動化により、人手による手作業や煩雑な業務を削減することができます。
  • AI・機械学習の活用: データ解析や予測分析を行うためのAI技術や機械学習モデルを導入することで、調査や情報検索、分析業務を効率化することができます。
②アウトプットを大きくする方法
  • EC(電子商取引)を活用した販売: ECサイトやオンラインマーケットプレイスの活用により、顧客は24時間365日、どこからでも商品の購入が可能になります。そのため、顧客の利便性向上や新たな顧客層の獲得が期待できます。また、実店舗と比較して低コストで運営できる点もメリットです。
  • ソーシャルメディアの活用: SNSプラットフォームを上手く活用し、企業・商品ブランドの知名度を高めることで、顧客との関係を構築・強化することができます。
  • デジタルマーケティングの最適化::自社のウェブサイトやウェブ広告のデータ分析を通じて、ターゲット顧客に対してより効果的な広告・キャンペーンを展開することができます。特にデジタルマーケティングは、従来のマーケティングと比較してデータ収集が容易なため、効果測定もしやすいです。効果測定に基づく改善を継続的に行うことで、成果を最大化することができます。
  • カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上:カスタマーエクスペリエンス(CX)とは、顧客が商品やサービスを利用する際に得られる一連の体験のことです。顧客との接点をデジタル化し、顧客サービスやサポートを強化することで、顧客満足度を向上させることができます。例えば、ユーザーフレンドリーなウェブサイト・モバイルアプリの提供や、ウェブサイトへのチャットボットを設置による顧客サポートの強化等の手段が考えられます。
  • データに基づく意思決定: ビジネスに関連するデータを収集・分析し、市場動向や顧客ニーズに基づく戦略的な意思決定を行うことで、商品やサービスの改善・開発に活かすことができます。

以上はあくまで一例です。各企業の特性や業種、おかれた経営環境や経営資源の保有状況等に応じ、最適な打ち手を選択するとともに、戦略的に取り組むことが重要です。

 

4.まとめ

  • 生産性を高める方法は、「インプットを少なくすること」と「アウトプットを大きくすること」の2つ
  • 例えば、長時間労働によってインプットだけを増やすと生産性は低下するため、生産性を高めるためにはそれ以上にアウトプットを増やす必要がある
  • 生産性を高めるためのDX観点での打ち手には様々なものがあるため、各企業の特性や業種、おかれた経営環境や経営資源の保有状況等に応じ、最適な打ち手を選択するとともに、戦略的に取り組むことが重要

 

弊社では、DX戦略の立案からDXツールの導入、導入後の業務定着化フォローまで、ワンストップで対応しています。また、弊社は補助金申請支援も行っておりますので、DXに活用できる補助金をご紹介させていただきながら、投資金額を抑えたDX化のご提案が可能です。

オンラインでの事前無料相談(詳細はコチラも行っておりますので、DXに関するお悩みがございましたら、ぜひ下記よりお気軽にご相談ください。
事前無料相談はこちら

この記事を書いた人

おすすめ記事

どのページをお探しですか?