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DXで話題にあがる「生産性」について(前編)

本記事では、中小企業の経営者が知っておくべき「生産性」について、DX専門の中小企業診断士がわかりやすく解説いたします。本ブログタイトルである「DXで話題にあがる「生産性」について」は、前編・後編の2回に分けて解説いたします。

目次は以下の通りです。

  1. 生産性とは?
  2. 我が国の生産性
  3. 中小企業の生産性
  4. まとめ

1.生産性とは?

生産性とは、わかりやすく言えば「投入した資源に対して、どれだけ多くの成果を出せるか」ということを表す言葉です。

例えば、A工場とB工場があったとします。保有する設備・人員数はいずれの工場も同一と仮定します。製品aについて、A工場では1日に80個、B工場では1日に100個製造(同じ品質・コスト・納期)した場合、どちらの工場がより生産性が高いでしょうか?投入資源が同じ条件下で、B工場が1日当り20個製品aを多く製造できたわけですから、B工場の方がより生産性が高いということになります。

 

2.我が国の生産性

DXの話題になると、関連ワードとして「生産性」という言葉を頻繁に耳にするのではないでしょうか?その背景の1つとして、海外諸国と比較した我が国の生産性の低さがあります。以下の図は、我が国の労働生産性について国際比較したものです。日本の労働生産性は、OECD 加盟国38 か国中28 位とOECD平均を下回り、首位のアイルランドの約4割弱程度の水準となっています。また、一人当たりの労働生産性は81,510ドルで29位となり、1970年以降で最も低い順位となっています。日本の労働生産性は、先進国内では最下位の状況となっているのが実情です。

(出典:中小企業白書 2022年版)

3.中小企業の生産性

続いて、中小企業・小規模事業者の生産性について見ていきましょう。以下の図は、企業規模別の付加価値額労働生産性の推移を付加価値額ベースで示したものです。

(出典:中小企業白書 2022年版)

この図から読み取れることは2点あります。1点目は、中小企業の労働生産性は約20年間ほぼ横ばいであること。2点目は、大企業の労働生産性は、付加価値額ベースで中小企業の労働生産性の2倍以上あることです。

 

では、すべての大企業が中小企業より生産性が高いのでしょうか?以下の図は、企業規模別の労働生産性の水準比較をしたもので、企業規模別に上位10%、中央値、下位10%の労働生産性の水準を示したものです。

 

(出典:中小企業白書 2022年版)

この図から読み取れるポイントも2点あります。1点目は、中小企業・中堅企業・大企業いずれの区分においても、企業規模に比例して労働生産性が高くなっていること。2点目は、上位10%の中小企業の労働生産性は大企業の中央値を上回っていることです。特に大切なのは2つ目のポイントです。つまり、「我が国の中小企業の10社に1社は、一般的な大企業の労働生産性を上回っている」ということです(先ほどの図を見ると、大企業の下位10%の労働生産性は、中小企業の中央値を下回っています。このことから、我が国の大企業の10社に1社は、一般的な中小企業の労働生産性を下回っているということも言えます)。

 

もう少し細かく見ていきましょう。以下の図は、業種別に見た労働生産性の規模間格差を示しています。

(出典:中小企業白書 2022年版)

この図から読み取れるポイントは、大企業と中小企業の労働生産性の格差の大きさは、業種によって異なるということです。この図からは、「建設業」や「情報通信業」、「卸売業」では大企業と中小企業の労働生産性の格差が大きい一方で、「小売業」や「宿泊業, 飲食サービス業」、「生活関連サービス業, 娯楽業」では、大企業も含め業種全体での労働生産性が低く、企業規模間の格差は比較的小さいことが読み取れます。

 

4.まとめ

  • 生産性とは、「投入した資源に対して、どれだけ多くの成果を出せるか」ということを表す言葉
  • 諸外国と比較すると、我が国の労働生産性は低い
  • 労働生産性は企業規模に比例して高くなる傾向にあるが、労働生産性が上位10%の中小企業は一般的な大企業よりも労働生産性が高い
  • 大企業と中小企業の労働生産性の格差の大きさは、業種によって異なる

「DXで話題にあがる「生産性」について(後編)」では、中小企業が生産性を高めるためのポイントを解説します。

 

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